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No.02 開通の日 2015年1月31日 伊良部大橋開通式レポート


 「夢の大橋」が、ついに宮古島と伊良部島を結んだ。

 「離島の離島」と呼ばれる宮古島市の伊良部島に、ついに橋が架かった。宮古本島を結ぶ3540メートルの県内最長橋で、無料通行できる橋としては従来の最長橋だった新北九州空港連絡道路の2100メートルを大幅に更新した。

 宮古島側で執り行われた開通式には翁長沖縄県知事、下地宮古島市長ら約1200人が参加。神事に始まり、記念植樹、地元の子供たちによる獅子舞などが場を盛り上げた。午後1時過ぎ、関係者らによるテープカット、くす玉割り。また、拍手がわき起こった。

 おめでとう、とこの日何度も聞いた。握手は何度、目にしただろう。島民にとって、41年間はあまりに長かった。10年あまりに及んだ工事期間の前に、30年近くの要請活動があった。伊良部村から伊良部町、そして宮古島市伊良部と名前は変わっていったが、架橋への思いが最後まで変わらなかったから、この開通の日を迎えることができた。

 物流、観光、医療、教育。橋の開通により、「生活環境の向上につながる」と翁長沖縄県知事は述べた。天候に左右されない移動手段がもたらす好循環は大きい。伊良部島で観光業を営む吉浜康徳さんは「物価が下がることでサービスを向上できる」と意気込む。

 渡り初めが始まった。宮古島、伊良部島間の「三世代夫婦」の与那覇さん、洌鎌さん、長濱さんを先頭に参加者全員が記念のゲートをくぐる。真新しい橋に、確かな足跡が残った。先頭の軽トラックからは軽やかな沖縄民謡が流れ、地元の子どもたちによる「エイサー」が華を添えた。報道陣のカメラが群になって一挙手一投足を追う。善男善女のパレードが続く。

 橋の中腹で、記念式典会場への直通バスが待っていたが、整理員さんに尋ねると「遠いですが最後まで歩けますよ」。前を歩く数十人の「同志」に従い、徒歩を選んだ。取材の身とは言え、もう二度と無いチャンスを活かそうと思った。

 間もなく、ゆるやかな傾斜に差し掛かる。2島間を通る船舶は多く、そのため最も海底の深い中間地点よりやや伊良部島よりに海面から27メートルのアーチが設けられている。ここでアーチをバックに記念撮影する人が一番多かった。

 3.5キロメートル余りを歩き通し、ようやく伊良部島へたどり着いた。こちら側の住人の皆さまが横断幕と小旗、太鼓の演奏で歓迎してくれた。「んみゃーち」と声が聞こえた。宮古島の方言で「ようこそ」という意味だ。

 県立伊良部高校に場所を移し、開通式典が始まった。用意された椅子はとうに埋まり、体育館後方を立ち見の参加者が埋め尽くす。工事計画報告、祝辞に続いて同高の棚原生徒会長が「希望に満ちた島の未来の為に、歴史をつないでいく」と宣言した。この日一番の拍手が贈られた。

 宮古島観光協会によると、年間約40万人の市を訪れる観光客のうち、これまで伊良部島を訪れていたのは約2割に留まる8万人。裏返せば8割近くの市への来訪者を会うことなく見送ってきた。観光業の視点から見ても、伊良部島は「離島の離島」だった。 橋の開通がその状況を大きく変える。午後4時、一般共用が始まり、伊良部島へ自動車が次々と着いた。新たな歴史のスタート、と言い切っていいのかもしれない。

 同時刻、伊良部高校そばの伊良部公民館では祝賀会が始まる。主催者発表によると「約1000人が訪れた」。近ごろリニューアルされたらしい舞台の緞帳(どんちょう)には、既に伊良部大橋が描かれていた。幕が開き、地元有志の余興が会場を盛り上げる。式次第の乾杯の前に、あちこちで繰り広げられる乾杯。関係者の労をねぎらうように、オリオンビールと泡盛が消えていった。

 街を挙げてのお祭りは、さらに隣の陸上競技場、カントリーパークへ移った。「ぷからす祭り」が開かれ、特設ステージで琉球國祭り太鼓や民謡ショーが雨にも負けず繰り広げられる。家族連れに話を聞くと「真っ先に橋を渡ってきました」と笑顔。親子4人で気軽に伊良部島へ―。大橋の開通が早速、人を呼び込んだ。

 午後7時、シャトルバスで宮古島への帰路につく。国内西端近くの宮古島でもさすがに日没を過ぎていた。橋が近づき、車内に「おおっ」と声が上がる。スマートフォンから目を上げると、橋が輝いていた。

 宮古島から伊良部島へ向かう自動車の列だった。美しい曲線を描くアーチ部分も、光の列で彩られていた。

No.01 夢の大橋

No.02 開通の日 2015年1月31日 伊良部大橋開通式レポート

No.03 架橋運動の礎 伊良部丸が託した夢

No.04 友達増えて、親戚も増えた 神奈川県から移住の清水陽介さん

No.05 小さな島の、小さなカフェ

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